マッスルエナジーテクニック(MET)とは?

vincent.hachi

マッスルエナジーテクニック(Muscle Energy Technique、MET)は、オステオパシーにおいてよく使用される手技のひとつです。これは、患者自身の筋肉の収縮を利用して関節の可動域を改善し、筋緊張を緩和する治療法です。安全で非侵襲的なアプローチのため、多くの理学療法士やボディワーカーにも採用されています。

METの基本原理

METは、患者が特定の筋肉群を軽い抵抗に対して収縮させ、その後リラックスすることで関節の可動域を広げるという原理に基づいています。この手技には以下のような生理学的原理が関わっています。

  1. 相反抑制(Reciprocal Inhibition)
    一方の筋肉を収縮させると、拮抗する筋肉が弛緩する生理的な反応を利用します。
  2. 自己抑制(Autogenic Inhibition)
    筋肉が収縮した後に弛緩する性質を利用し、柔軟性を向上させます。
  3. 関節の可動域の改善
    筋肉の緊張を和らげ、関節の動きをスムーズにします。

METの実践方法

  1. 患者のポジショニング
    改善したい筋肉や関節に適した姿勢をとります。
  2. 軽い抵抗を加える
    治療者が適切な方向に抵抗を加え、患者に5〜10秒間軽く筋収縮を行わせます。
  3. リラックスフェーズ
    筋収縮を解放し、患者がリラックスすることで筋肉の伸張が起こります。
  4. 新しい可動域へ誘導
    緊張が緩んだ後、関節の可動域を優しく広げるように誘導します。

このプロセスを数回繰り返すことで、より大きな効果が期待できます。

METの適応症

METはさまざまな症状に対して有効です。

  • 筋肉のこわばりや緊張
  • 関節可動域の制限
  • 姿勢の歪みやアンバランス
  • 頭痛や首・肩こり
  • 腰痛や股関節の硬さ

特に、慢性的な筋緊張や関節の動きに制限がある方には効果的です。

METのメリット

安全で低リスク:患者自身の力を利用するため、過度な負荷がかかりにくい。

即効性がある:施術直後に可動域の改善を実感できることが多い。

セルフケアにも応用可能:簡単なMETエクササイズを自宅で行うことで効果を持続させやすい。

まとめ

マッスルエナジーテクニック(MET)は、筋肉の緊張を和らげ、関節の動きを改善するオステオパシーの有効な手法です。特に慢性的なコリや痛みを持つ方に適しており、安全で簡単に実施できるため、多くの施術者に活用されています。

日々の生活で感じる身体のこわばりや可動域の制限が気になる方は、ぜひ一度METを試してみてください!

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カンナリ
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理学療法士/オステオパス
理学療法士/オステオパシー 一人ひとりに合った施術を提供します。心と体のバランスを整え、健康的な生活をサポートをします。
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