ストレイン・カウンターストレインとは?

vincent.hachi

みなさんは「ストレイン・カウンターストレイン(Strain Counterstrain,;SCS)」という手技療法をご存じでしょうか? これは、アメリカのオステオパシー医 ローレンス・ジョーンズ(Lawrence Jones, DO) によって開発された方法で、 筋肉や関節の痛み、不調を改善するためのソフトなアプローチの一つです。

通常のストレッチやマッサージとは異なり、痛みのない快適な姿勢を取ることで、筋肉や神経の異常な緊張をリセットする というユニークな方法です。

今回は、このストレイン・カウンターストレインの基本的なメカニズムや適応症、実際の施術の流れについてご紹介します。

ストレイン・カウンターストレインの特徴

1. 圧痛点(Tender Points)を利用する

ストレイン・カウンターストレインでは、筋肉や関節に存在する 圧痛点 を評価します。 この圧痛点は、いわゆる「トリガーポイント」とは異なり、触れると鋭い痛みを感じるポイントです。

2. 痛みのない快適な姿勢を取る

圧痛点を見つけたら、その緊張が最も軽減される方向へ身体を動かします。 これを 「ポジション・オブ・イーズ(Position of Ease)」 と呼びます。 例えば、腰痛のある方なら膝を抱え込む姿勢、 首に痛みがある方なら頭を少し回旋・屈曲させるなど、最も楽なポジションを探ります。

3. 90秒間保持して神経反射を調整

快適な姿勢を取った状態で、約90秒間キープ します。 すると、筋肉の緊張をコントロールする神経反射がリセットされ、 圧痛や筋スパズム(攣縮)が緩和されます。

4. ゆっくりと元の位置へ戻す

姿勢を急に戻すと、再び筋緊張が戻ってしまうことがあるため、 ゆっくりと慎重に もとの状態に戻します。 この過程を通じて、筋肉や神経のバランスが回復していきます。

どんな症状に効果がある?

慢性的な肩こり・首こり
腰痛(ぎっくり腰や慢性腰痛)
関節可動域の制限
スポーツによる筋肉の張りや痛み
緊張型頭痛やストレスによる筋緊張
自律神経のバランス調整

特に、筋肉の過緊張による痛みや違和感 に効果的で、 リラックスしながら受けられるのが特徴です。

施術の流れ

  1. 評価(圧痛点の確認)
    • どの部位に痛みがあるのかをチェックし、圧痛点を見つけます。
  2. 快適な姿勢に誘導
    • 圧痛点の緊張が最も緩む方向へ身体を調整。
    • 例えば、腰痛なら膝を曲げて丸まる姿勢、 首の痛みなら頭を少し傾けるなど。
  3. 90秒間リラックス
    • その姿勢を維持し、筋肉や神経の調整を待ちます。
  4. ゆっくり元の位置へ戻す
    • 慎重に姿勢を戻し、痛みや可動域の変化を確認。
  5. 再評価と必要に応じた追加調整
    • 症状に応じて繰り返し調整します。

ストレイン・カウンターストレインのメリット

痛みが少なく、リラックスして受けられる
即時的な効果を感じやすい
急性・慢性の痛みに対応できる
他の手技(筋膜リリース、PNFなど)と組み合わせやすい

一方で、関節の変形や骨の構造異常が原因の痛みには効果が限定的なので、 その場合は適切な評価と組み合わせたアプローチが必要です。

まとめ

ストレイン・カウンターストレインは、 痛みを伴わずに筋肉や神経のバランスを整える、安全で効果的な手技療法 です。

日常生活での慢性的なコリや痛み、スポーツによる筋緊張など、 さまざまな場面で活用できるので、 ぜひ興味のある方は試してみてください!

施術のご相談やご質問があれば、お気軽にお問い合わせください。

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カンナリ
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理学療法士/オステオパス
理学療法士/オステオパシー 一人ひとりに合った施術を提供します。心と体のバランスを整え、健康的な生活をサポートをします。
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